2017年02月19日

ブログで授業「てんかんとうつ病とSIADH」プロ向け

てんかん患者において見過ごされがちなうつ病。実際にはてんかん患者にはうつ病が一般の約2.8倍と多く、23%に存在し(Fiest et al., 2013)、てんかん患者の自殺率は一般に比べて22%高いといいます(Tian et al., 2016)。

必要に応じて抗うつ薬による治療が行われるべきでしょう。三環系抗うつ薬は、てんかん発作の頻度を上げるため、てんかん患者に用いられるべきではありませんが、SSRIやSNRIは安全に使用できると考えられます(Cardamone et al., 2013; Castaño-Monsalve et al., 2013]。SSRI/SNRIの中でも、bupropionとシタロプラムはけいれん発作がいくらか多い傾向ですが、他の新規抗うつ薬が使用された患者は、プラセボが使用された患者に比しててんかん発作が少なかったといいます(Alper et al., 2007)。

EEG.jpg

ただ、セロトニンは脳下垂体後葉で抗利尿ホルモン(ADH, バソプレシン)の分泌を促進します(Brownfield et al. 1988)。そして、セロトニンの作用を強める抗うつ薬の使用全般が低ナトリウム血症、SIADHのリスクになります。実際、新規抗うつ薬使用者は非使用者の5.5倍と低ナトリウム血症による入院が多かったといい(Gandhi et al, 2017)、抗うつ薬を使用した高齢者の9.3%に低ナトリウム血症が生じたといいます(Mannesse et al, 2013)。抗うつ薬の使用中、低ナトリウム血症がけいれん発作を引き起こしうることには注意が必要でしょう。

抗うつ薬とSIADHリスクについて(専1-95)、そして、抗うつ薬によるけいれん発作について(専4-53, 7-55)は精神科専門医試験で出題されています。
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2017年01月25日

精神のテスト(つくば看専)

つくば看護専門学校の「精神看護学V精神障害」、2017年1月に実施されたテスト内容を公開しておきます。

直前に公開した予告内容はコチラ
つくば看専テスト201701予告.pdf

実際に出題した内容はコチラです。
つくば看専201701問題文0117.pdf
posted by とある精神科医 at 18:27| 講義関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月05日

ブログで授業「統合失調症」

統合失調症について、学生が把握しておくべきものを、いくつか紹介しておきましょう。

幻覚や妄想のみならず「連合弛緩」も知っておきましょう。連合弛緩は「思考の障害」のひとつです。




「思考伝播」「思考奪取」って分かります?




統合失調症には「自我の障害」に分類される症状があります。




統合失調症の治療薬は「抗精神病薬」と呼ばれるものを用います。定型抗精神病薬は古い薬で、非定型抗精神病薬が現在の主流。その代表的な薬剤は覚えておくべきでしょう。ちなみに、アリスちゃんに「クソ豚野郎」と呼ばれているオラは太っているイメージ→オランザピンは肥満リスクに注意しましょう。



学生は「1%の人がなる」と理解しておけばいいでしょうし、男女比は同じと思っておいていいでしょう。ただ、精神科の専門家は男の方が少し多いと知っていてもいいかもしれません。



統合失調症になると、どうしても「人に誰かされた」と思いやすくなってしまうものです。

posted by とある精神科医 at 17:58| 精神科ブログ講義 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月04日

ブログで授業「電気けいれん療法」

統合失調症や気分障害(うつ病や双極性障害)に用いられる電気けいれん療法(ECT)について紹介しましょう。


動画での解説はこちらから。



電気けいれん療法の副作用を理解しておきましょう。




「そんなことして大丈夫?」と戸惑う人もいるかもしれませんが、この治療の死亡リスクは非常に低く、精神障害を放置する方が危ないのかもしれません。




何度も何度も繰り返し行われることもありますが……「そんなことして大丈夫?」……問題ないようです。




電気けいれん療法の際、気分安定薬の炭酸リチウムは中止しておきましょう。




電気けいれん療法は、気分障害では抑うつ状態にも躁状態にも用いられる治療法です。ですから、単に気分を「あげる」というよりは「正常化する」というのが正しいかもしれません。




電気けいれん療法は、なぜ効くのでしょうか。

posted by とある精神科医 at 21:57| 精神科ブログ講義 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月23日

ブログで授業「気分障害の治療」

「気分障害」に含まれる「うつ病」と「双極性障害」の治療につき紹介しましょう。


うつ病に関係する神経伝達物質はなんでしょう?


もちろん正解はセロトニン。


うつ病と双極性障害、それぞれ何で治療したらいいでしょうか?




治療についての5分間レクチャーはこちら。



抗うつ薬といえばSSRIやSNRI。SSRIだけでも覚えてみましょう♪




双極性障害に使用する気分安定薬って、具体的には何?




気分安定薬について4分間で解説しました。



双極性障害に抗うつ薬を使うのはどうなんでしょう?




抗うつ薬や気分安定薬を覚えようと思ったら『語呂で覚える!DSM-5』。
語呂で覚える!DSM‐5 -
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気分障害を、より専門的に学びたい人は『気分障害ハンドブック』を!
気分障害ハンドブック -
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気分障害の薬物治療は、たびたび医療系の国家試験に出題されているので、医療系の学生さんは、よく学んでおきましょう。
SSRI/SNRI:うつ病・不安障害の治療薬 [医110][看94]
パロキセチン:抗うつ薬(SSRI)[医104,105,109]
フルボキサミン:抗うつ薬(SSRI)[医110]
スルピリド:抗うつ薬、高プロラクチン血症が多い抗精神病薬 [医100,101,109]
三環系抗うつ薬
イミプラミン [医104]
クロミプラミン [医105]
炭酸リチウム:気分安定薬 [医104,105,108,109,110][看87,93,94]
バルプロ酸:気分安定薬 [医105,108,109×2,110]


うつ病の対応について、動画で解説しました。看護の国家試験対策にはオススメ!
posted by とある精神科医 at 21:50| 精神科ブログ講義 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする