2012年02月08日

DSM-5をちょっと日本語訳

DSM5草稿2012Feb8.pdf

「統合失調症」「自閉症スペクトラム障害」「大うつ病エピソード」の訳のファイルです。参考になれば幸いです。少しずつDSM-5慣れしておきたいものですね。
posted by とある精神科医 at 18:40| 診断基準 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大うつ病エピソード DSM5 Draft

DSM-5 Draftの"Major Depressive Episode"を自分なりに訳してみました。日本語訳されたDSM-IVをかなりの部分、参考にしています。


大うつ病エピソード DSM-5診断基準の草案

A: 以下の症状のうち5つ (またはそれ以上) が同一の2週間に存在し、病前の機能からの変化を起している; これらの症状のうち少なくとも1つは、1 抑うつ気分または 2 興味または喜びの喪失である。 注: 明らかに身体疾患による症状は含まない。

1.その人自身の明言 (例えば、悲しみまたは、空虚感を感じる) か、他者の観察 (例えば、涙を流しているように見える) によって示される、ほとんど1日中、ほとんど毎日の抑うつ気分。注: 小児や青年ではいらいらした気分もありうる。

2.ほとんど1日中、ほとんど毎日の、すべて、またはほとんどすべての活動における興味、喜びの著しい減退 (その人の言明、または他者の観察によって示される)。

3.食事療法中ではない著しい体重減少、あるいは体重増加 (例えば、1ヶ月に5%以上の体重変化)、またはほとんど毎日の、食欲の減退または増加。 注: 小児の場合、期待される体重増加が見られないことも考慮せよ。

4.ほとんど毎日の不眠または睡眠過多。

5.ほとんど毎日の精神運動性の焦燥または制止 (ただ単に落ち着きがないとか、のろくなったという主観的感覚ではなく、他者によって観察可能なもの)。

6.ほとんど毎日の易疲労性、または気力の減退。

7.無価値観、または過剰あるいは不適切な罪責感 (妄想的であることもある) がほとんど毎日存在(単に自分をとがめる気持ちや、病気になったことに対する罪の意識ではない)。

8.思考力や集中力の減退、または決断困難がほとんど毎日存在 (その人自身の言明、あるいは他者による観察による)。

9.死についての反復思考 (死の恐怖だけではない)、特別な計画はない反復的な自殺念慮、自殺企図、または自殺するためのはっきりとした計画。


B: 症状は臨床的に著しい苦痛または社会的・職業的・他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。

C: エピソードが物質や抗うつ薬(例えば薬物乱用や薬物治療、その他の治療)の中断による生理学的な直接の作用によるものではない。 注:抗うつ治療(薬物療法やECT等)の期間中に、軽躁病あるいは躁病エピソードに完全に合致し、そしてそれがその治療の生理学的作用を超えて持続することは、軽躁病あるいは躁病エピソードと診断する十分な根拠となる。しかしながら、1つか2つの兆候(抗うつ治療に続く、増強した怒りっぽさ、苛々、焦燥感)は軽躁病あるいは躁病エピソードと診断する十分な根拠とは扱わない様に注意すべきである。

訳@Psycho_Note

【ノート】
A項目はほぼ同一。B項目は不変だが、DSM-IVにあったC〜F項目が削除・変更されています。
posted by とある精神科医 at 18:29| 診断基準 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

自閉症スペクトラム障害 DSM-5 Draft

DSM-5のDraftの"Autism Spectrum Disorder"を自分なりに日本語に訳してみました。

自閉症スペクトラム障害 DSM-5診断基準の草案

次の1〜3を満たす。
1 以下全て
A社会的相互作用の言語/非言語的コミュニケーションの著明な障害
B社会的相互関係の欠如
C発達水準相応の仲間関係の構築・維持の失敗

2 以下2つ
A 常同的な運動・発言または異常な知覚行動
B ルーチン・儀式化された行動への過度な順守
C 限定的・執着した興味

3 症状が幼児期から存在。ただし、社会的に要する水準が能力を超える以前には症状が揃わないことがある。
訳@Psycho_Note

【ノート】
DSM-5草案では「レット障害」の削除、「自閉性障害」「小児期崩壊性障害」「アスペルガー障害」「特定不能の広汎性発達障害」を「自閉症スペクトラム障害」ひとつにまとめることが検討されています。
posted by とある精神科医 at 18:20| 診断基準 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

統合失調症の診断基準 DSM-5Draft

 DSM-5のDraftの"Schizophrenia"を自分なりに日本語訳してみました。訳についてはDSM-IVの日本語訳を参考にしました。


統合失調症 DSM-5診断基準の草案

A: 特徴的症状 以下のうち2つ以上、各々が1ヶ月間(または治療が成功した際はより短い期間)ほとんどいつも存在する。これらのうち少なくとも一つは1〜3である。
1. 妄想
2. 幻覚
3. 解体した会話
4. 緊張病等の様な著しく異常な精神運動行動
5. 陰性症状、すなわち制限された感情や社会性欠如や意欲欠如

B: 社会的または職業的機能の低下:障害の始まり以降の期間の大部分で、仕事、対人関係、自己管理などの面で1つ以上の機能が病前に獲得していた水準より著しく低下している。あるいは、小児期や青年期の発症の場合、期待される対人的・学業的・職業的水準にまで達しない。

C: 期間:障害の持続的な徴候が少なくとも6ヶ月間存在する。この6ヶ月間には、基準Aを満たす各症状(すなわち、活動期の症状)は少なくとも1ヶ月(または治療が成功した際はより短い期間)存在しなければならないが、前駆期または残遺期の症状の存在する期間を含んでもよい。これらの前駆期または残遺期の期間では、障害の徴候は陰性症状のみか、もしくは基準Aにあげられた症状の2つまたはそれ以上が弱められた形(例:風変わりな信念、異常な知覚体験)で表されることがある。

D: 失調感情障害と気分障害の除外:失調感情障害と「気分障害、精神病性の特徴を伴うもの」が以下の理由で除外されていること (1)活動期の症状と同時に、大うつ病または躁病のエピソードが発症していない (2)活動期の症状中に気分のエピソードが発症していた場合、その持続期間の合計は、活動期および残遺期の持続期間の合計に比べて短い

E: 物質や一般身体疾患の除外:障害は、物質(例:乱用薬物、投薬)または一般身体疾患の直接的な生理学的作用によるものではない

F: 広汎性発達障害との関係:自閉性障害や他の公汎性発達障害、他のコミュニケーション障害の既往歴があれば、統合失調症の追加診断は、顕著な幻覚や妄想が少なくとも1ヶ月(または治療が成功した際はより短い期間)存在する場合にのみ与えられる
訳@Psycho_Note

【ノート】
 DSM-IVでは、A項目で奇妙な妄想や対話性の幻聴があれば1項目で十分とした付記が消されました。A項目の内容は殆ど似たものだが、表現が若干変更されています。B〜Fはほぼ不変と考えて良い程度で、気分障害の混合状態や自閉症スペクトラム障害等の扱い方によって語句が変わるのみでした。
 そして、これまであった「妄想型」「解体型」などの亜型は削除が提案されています。
posted by とある精神科医 at 18:16| 診断基準 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月06日

はじめに

「とある精神科医」です。精神医療に携わる中、少しずつでも成長できるよう意識してます。ツイッター @Psycho_Note でつぶやいてます。そんな中、このブログをノートのように使っていきたいと思いますので、お付き合いのほどよろしくお願い申し上げます(^-^)
posted by とある精神科医 at 19:38| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする