2015年11月11日

講義「気分障害」「精神科診断」@筑波大学

「精神科診断」と「気分障害」の講義のハンドアウトをアップしておきます。
精神科診断の授業ハンドアウト.pdf

気分障害の授業ハンドアウト.pdf

いずれも講義の内容の一部分だけです。

posted by とある精神科医 at 22:22| 講義関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月20日

日本語版DSM-5発売

精神科の診断基準DSM-5を日本語版が2014年6月下旬に発売となりました。DSM-IVから大きく変わったわけではなくとも、変更された点は少なくありません。精神科に関わる医療者であれば、いずれにせよ知っておかなければいけないことばかり。必ず一冊は必要になることでしょう。




こちらは英語版。

タグ:DSM-5
posted by とある精神科医 at 14:17| 診断基準 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月08日

うつ病の運動療法

うつ病を治療する際、抗うつ薬がその主役ですが、運動もするとなお良いことが分かっています。これはランニングなどの有酸素運動のみならず、筋力トレーニングなどの無酸素運動でも明らかな差はなく、どちらも有効。

運動がうつ病治療の効果を持つ理由はいくつか考えられています。BDNF(脳由来神経栄養因子)が脳で増えると、うつ病が良くなることが分かっており、抗うつ薬で治療効果が上がったときには脳でBDNFが増えていることも分かっています。そして、運動をすることにより、脳内のBDNFが増加することも分かっています。運動は、抗うつ作用を持つのです。

また、多くの抗うつ薬の主な作用は脳のセロトニンに対するもの。運動でも、脳内のセロトニンが増えることも分かっています。運動で生じる遊離脂肪酸がアルブミンと結合していたトリプトファンと置換され、遊離トリプトファンが増えます。また、運動をすると、筋肉でBCAA(分岐鎖アミノ酸)がエネルギーとして消費され、血中のトリプトファン等のAAA(芳香族アミノ酸)の比率が上がります。血液中から脳へのアミノ酸の移行は競合しており、比率が上がったトリプトファンなどがより多く脳に移行します。これが脳でセロトニン(やメラトニン)に変化し、うつ病を改善させると考えられています。



うつ病の治療の際には、運動も併用するといいでしょう。ウォーキングやランニングでもいいでしょうし、スクワットや腹筋運動などの筋力トレーニングでも、運動習慣をつけるといいでしょう。

うつ病では億劫感が強まることは多く、自発的な運動が難しいこともあります。そんなときには、電気刺激で筋肉動かすEMS(アブトロニックの類)や、座っているだけで運動効果が得られる器具(ジョーバの類)は自発的な意思が無くとも運動効果でき、うつ病効果が得られると考えられます。

うつ病の治療の際には、薬物治療と並行して、できるのであれば何らかの運動を取り入れたいものです。






posted by とある精神科医 at 18:48| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月29日

月経前不快気分障害(PMDD)問診票

 月経前に生じる身体・精神の変調の強いものは月経前症候群(Premenstrual Syndrome:PMS)と医療で扱われることがあり、その中でも精神の症状が強いものは診断基準DSM-5で月経前不快気分障害(Premenstrual Dysphoric Disorder:PMDD)と定義されています。
 精神科医でも、PMS/PMDDを専門に扱っているのでもなければ、その症状は覚えきることが困難で、感覚的に診断されがちです。そこで、より簡便に、同時に正確に診断するための補助として使うことのできる問診票を作成しました。問診票だけで判断せず、記載したことを医師が臨床的に判断する必要があります。医師が臨床の場で使うもよし、「私、もしかしてPMDD?」と思う方が自ら記載して医師のもとに持っていくのもよし。ご活用いただければ幸いです。

月経前不快気分障害 問診票.pdf


posted by とある精神科医 at 19:07| 質問紙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月27日

アルツハイマー病にココナッツオイル

認知症食事療法と言えば、様々なビタミンを十分に摂るべく野菜・果物を豊富に摂り、ω3不飽和脂肪酸であるEPAやDHAの類を摂るべくを食べ、お茶をよく飲むこと、そこまでが医学として妥当性が十分に検証され一般的に薦められるものです。サプリメントとしてイチョウの葉エキスが売られており、その効果の有無のついては議論の余地はありますが、試してみる価値はあるでしょう。そして、お茶のアミノ酸のテアニンのサプリメントは、まだ実証が不十分ですが、イチョウの葉エキス以上の期待をしていいだろうポテンシャルを持っていると私自身は確信しています。

そんな中、アルツハイマー型認知症ココナッツオイルが良いと薦めている本があります。調べれば、ラットの実験でココナッツの成分を摂取することによりアルツハイマーで生じるアミロイドβ等が減ったとする報告は見つかりました。しかし、医学の世界でまだ一般的とは言い難いこと。ただ、本の内容自体は十分に説得力のある内容であったので簡単に紹介しましょう。



よく糖尿病を語る上で登場するインスリン、血糖を下げるホルモンと知られていますが、正確には血液中の糖分を細胞の中に引きこむホルモンです。このインスリンへの反応性がアルツハイマー型認知症の頭では下がっていることが分かっています。そして、この本では、血液中から糖分を引き込みエネルギー源として使用できなくなったアルツハイマー病の脳細胞に、糖分の代わりのエネルギーとなるケトンを与えることによって脳機能を回復させることができると説明しています。脳にケトンを与える上でココナッツオイルが良いとこの本では薦めています。この本の著者は医者です。アメリカの小児科医ですが、比較的早くに認知症を発症して思い悩む中、情報を集める中でココナッツオイルにたどり着いたとのこと。

 

本の中でも紹介されていますが、ココナッツオイルのサプリメントは存在しますが、摂取すべき量からすると高価であり、ココナッツオイルそのものを買う方が現実的でしょう。10〜20g/日の摂取を目指したいとしています。ただ、下痢傾向には注意。そのまま飲むのも無理ではありませんが、料理に使う方が現実的かもしれません。クックパッドで検索すればココナッツオイルを用いたレシピが沢山得られます。お試し程度に、まずはトーストに用いるだけでもいいかもしれません。また、オイルばかりと言わずココナッツ関連であれば効果は期待でき、ココナッツのお菓子を食べるのも有意義なことでしょう。



著者の夫、そしてその話を知りココナッツオイルを試した人たちからの反響で本は構成されており、大規模な研究が行われているわけではありません。ですから、医学界で認められている内容ではありません。ただ、自分がアルツハイマー型認知症の始まりであったならば、あるいは家族がアルツハイマー型認知症であったならば、ココナッツオイルを食事に取り入れてみたいと、少なくとも個人的には、そう思える内容でした。少なくとも試す価値はあるだろうと。もし、これにより効果が得られる人が出てくるとしたら嬉しいことですね。
posted by とある精神科医 at 21:53| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする