2013年07月05日

自閉症スペクトラム障害と社会コミュニケーション障害 DSM-5

DSM-IVでは自閉性障害(自閉症)・アスペルガー障害特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)の語が扱われていましたが、それらに対応するものはDSM-5では自閉症スペクトラム障害社会(実用)コミュニケーション障害の2つです。これらを日本語訳してみました。

大まかに言うのであれば、コミュニケーションの障害だけがあるものが社会(実用)コミュニケーション障害であり、コミュニケーション障害と常同性を併せ持つのが自閉症スペクトラム障害です。

自閉症スペクトラム障害の特定用語で、言語障害の有無を扱い、言語障害と伴うものがDSM-IVにおける自閉性障害言語障害を伴わないものがDSM-IVにけるアスペルガー障害に相応するものと考えられます。


日本語版が登場するのが待ち遠しいものですね。


社会(実用)コミュニケーション障害(仮訳)
Social (Pragmatic) Communication Disorder

A.以下の全てで示される、言語的そして非言語的コミュニケーションの社会的な使用の持続的な困難:
1.挨拶、情報の共有といった、社会的な状況で適切な方法での、社会的目的のためのコミュニケーションの使用の欠陥。
2.校庭と教室では話し方を変えたり大人相手と子供相手で話し方を変えたり堅苦しすぎる言葉の使用を避けたりするといった、状況や聞き手の要求に合わせて、コミュニケーションを変える能力の欠陥。
3.順番に話したり相手が理解できていないところは繰り返し話したり言語的または非言語的なサインで相互作用を調節する方法を知っていたりするといった会話や語りの上でのルールに従うことの困難。
4.はっきりと言われていないこと(例、ほのめかし)、そして、論理的では無いまたは曖昧な言葉(例、熟語、ユーモア、比喩、文脈の理解によって変わる複数の意味を持つもの)の理解の困難。

B.有効なコミュニケーション、社会参加、社会的な関係、学術的な成果、または仕事のパフォーマンスに、その欠陥が単体で、または併せて機能的な限界が生じる。

C.発達の早期に症状が必ず出現している(しかし、社会的な要求が、制限された許容量を超えるまで完全には現れないかもしれない)。

D.その症状は他の医学的または神経学的状態、あるいは言葉の構築や文法の領域での低機能によるものではなく、自閉症スペクトラム障害、知的な障害(知的発達障害intellectual developmental disorder)、包括的発達遅滞global developmental delay、または他の精神障害でよりよく説明できない。



自閉症スペクトラム障害 Autism Spectrum Disorder
A.現在または過去から以下のように示される、複数の状況にわたる社会的コミュニケーションと社会的相互の持続的な欠陥(例は説明上の実例であって、それら以外もありうる):
1.例えば、通常の会話のやりとりにおける失敗と社会的な接近における異常、関心や感情や情動の共有の少なさ、社会的交流の開始や応答の失敗といった、社会的・感情的相互作用の欠陥。
2.例えば、言語的そして非言語的コミュニケーションにおける調和の取れなさ、アイコンタクトやボディランゲージの異常やジェスチャーの使用や理解の欠陥、表情の表出や非言語コミュニケーションの完全な欠陥といった、社会的交流に用いられる非言語のコミュニケーション行為の欠陥。
3.例えば、様々な社会的な文脈に適切な行動に適合させることの困難、創造的な遊びの共有や友人をつくることの困難、仲間への関心の欠陥といった、関係作り、その維持、そしてその理解の欠陥。
現在の重症度を特定せよ:
重症度は、社会的コミュニケーションの障害と制限された反復される行動の様式に基づく。

B.現在または過去から、少なくとも以下の2つで示される、制限された反復される行動や興味や活動の様式(例は説明上の実例であって、それら以外もありうる):
1.常同的または反復的な運動性の行動、物体の使用、または発言(例、単純な常同運動、玩具を並べたり弾いたりすること、反響言語、特有の言い回し)。
2.同じであることの強要、ルーチンへの頑固な固執、または、言語語的または非言語的な行動の儀式化された様式(例、小さな変化に対する過度な悩み、変化にたする困難、頑なな思考様式、儀式的な挨拶、毎日必ず同じ食べ物を食べたり同じ道を選んだりすること)。
3.強さ、または対象において異常な、強く制限され固執した興味(例、普通ではない物体への強い愛着またはとらわれ、過度に枠にはまった、または固執した関心)。
4.感覚入力の過剰または過少、または環境に対する感覚への普通ではない関心(例、熱や痛みに対する明らかな無関心、特定の音や感触に対する嫌な反応、物体を過度に嗅いだり触ったりすること、光や動きに対して視覚的に魅惑されること)。
現在の重症度を特定せよ:
重症度は、社会的コミュニケーションの障害と制限された反復される行動の様式に基づく。

C.発達の早期に症状が必ず出現している(しかし、社会的な要求が、制限された許容量を超えるまで完全には現れないかもしれず、後に人生の中で学んだ方法によって隠されているかもしれない)。

D.症状は、社会的・職業的・他の現在の機能の重要な領域における臨床的に著しい障害を引き起こしている。

E.これらの障害が、知的な障害(知的発達障害)または広範な発達遅延でよりよく説明されない。知的な障害と自閉症スペクトラム障害はしばしば併発し、自閉症スペクトラム障害と知的障害の併存を診断するには、社会コミュニケーションが全体の発達水準から期待されるよりも低い必要がある。

注釈:DSM-IVで十分な確認のもとで自閉性障害、アスペルガー障害、特定不能の広範性発達障害と診断された人は自閉症スペクトラム障害と診断されるべきである。社会コミュニケーションの著明な欠陥がありながらも,
その症状が自閉症スペクトラム障害の基準に合致しない人はSocial (Pragmatic) Communication Disorder(実用的な)社会コミュニケーション障害と診断されるべきである。

該当すれば特定せよ:
知的障害を伴うもの、または伴わないもの with or without accompanying intellectual impairment
言語障害を伴うもの、または伴わないもの with or without accompanying language impairment
既知の医学的または遺伝的状態、あるいは環境的要因によるもの associated with a known medical or genetic condition or environmental factor
他の神経発達的、精神的、または行動上の障害によるもの associated with another neurodevelopmental, mental or behavioral disorder
カタトニアを伴うもの with catatonia (他の精神障害に伴うカタトニアの基準を参照せよ)
posted by とある精神科医 at 18:04| 診断基準 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月03日

神経性大食症とむちゃ食い障害 DSM-5

DSM-5における神経性大食症"Bulimia Nervosa"むちゃ食い障害"Binge-Eating Disorder"、いわゆる「過食症」の診断基準を日本語訳してみました。

神経性大食症は、DSM-IVとほとんど変わってません。ただ、過食を代償しようとする行為の頻度がDSM-IVでは週に2回以上とされていたものが、DSM-5では週1回以上とされています。そして、DSM-5で新しく加えられたのがむちゃ食い障害。おおざっぱに言えば、過食のあとで下剤を乱用したり吐いたり代償行動をするのが神経性大食症で、そのような排出行動に至らないのがむちゃ食い障害です。

DSM-5摂食障害.pdf



神経性大食症 Bulimia Nervosa
A.繰り返されるむちゃ食いのエピソード。むちゃ食いのエピソードは以下の両方によって特徴づけられる
1.他とはっきり区別される時間の間に(例えば、一日の中のいつでも2時間以内)、大抵の人が同じような時間・同じような環境で食べる量よりも明らかに多い食物を食べること。
2.そのエピソードの期間は、食べることを制御できないという感覚 (例えば、食べること止めることができない、または何をどれほど多く食べているかを制御できないという感じ)

B.体重増加を防ぐための不適切な代償行為を繰り返す、例えば、自己誘発性嘔吐 ; 下剤、利尿剤、またはその他の薬剤の誤った使用 ; 絶食;または過激な運動体重。

C.むちゃ食いおよび不適切な代償行動はともに、平均して、少なくとも3ヶ月間にわたって週1回おきている。

D.自己評価は、体型および体重の影響を過剰に受けている。

E.障害は、神経性無食欲症のエピソード期間中にのみ起こるものではない。

該当すれば特定せよ:
部分寛解 in partial remission:神経性大食症の診断基準にそれより前に完全に合致し、全てではなく基準のいくつか合致している期間が続いている。
完全寛解 in full features:神経性大食症の診断基準をそれより前に完全に満たし、基準のいずれも合致しない期間が続いている。

現在の重症度を特定せよ:
重症度の最低の水準は、不適切な代償行為の頻度(下記)に基づく。重症度の水準は他の症状や機能障害の程度を反映して強められることもある。
軽度(Mild): 不適切な代償行為が平均して週に1〜3回
中等度(Moderate): 不適切な代償行為が平均して週に4〜7回
重度(Severe): 不適切な代償行為が平均して週に8〜13回
極度(Extreme): 不適切な代償行為が平均して週に14回以上


むちゃ食い障害 Binge-Eating Disorder
A. むちや食いのエピソードの繰り返し。むちや食いのエピソードは以下の両方によって特徹づけられる。
1. 他とはっきり区別される時間の間に(例えば、2時間内に)大抵の人が同じような時間・同じような環境で食べる量よりも明らかに多い食物を食べる。
2. その工ピソードの間、食べることを制御できないという感覚(例えば、食べることを止めることができない、または自分が何を、またはどれほど多く食べているかを制御できないという感じ)

B. むちや食いのエピソードは、以下の3つ以上を伴っている。
1. 普通よりもずっと早く食べる。
2. おなかがいっぱいで気持ちが悪くなるまで食べる。
3. 生理的な空腹を感じていないときに大量の食物を食べる。
4. 自分がどれほど沢山食べるかが恥ずかしくて一人で食べる。
5. あとで自分に嫌気がさし、または落ち込み、または強く罪悪感を抱く。

C. むちゃ食いをしていることに対する非常に強い苦痛

D. むちゃ食いは、平均して少なくとも週に1回、3ヶ月間にわたっておきる。

E. むちゃ食いは、神経性大食症でのような繰り返される不適切な代償行為と関連しておらず、神経性無食欲症や神経性大食症の経過中のみに起きるものではない。

該当すれば特定せよ:
部分寛解 in partial remission:むちゃ食い障害の診断基準にそれより前に完全に合致し、むちゃ食いが平均して週に1回より少ない期間が続いている。
完全寛解 in full features:むちゃ食い障害の診断基準をそれより前に完全に満たし、基準のいずれも合致しない期間が続いている。

現在の重症度を特定せよ:
重症度の最低の水準は、むちゃ食いの頻度(下記)に基づく。重症度の水準は他の症状や機能障害の程度を反映して強められることもある。
軽度(Mild): 不適切な代償行為が平均して週に1〜3回
中等度(Moderate): 不適切な代償行為が平均して週に4〜7回
重度(Severe): 不適切な代償行為が平均して週に8〜13回
極度(Extreme): 不適切な代償行為が平均して週に14回以上
posted by とある精神科医 at 18:35| 診断基準 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月02日

神経性無食欲症(拒食症)の診断基準 DSM-5

DSM-5における神経性無食欲症(拒食症)の診断基準を日本語訳してみました。DSM-IVとほぼ同一といっていいでしょう。体重について基準そのものでは問わず、重症度を判定することになりその重症度に影響することになりました。DSM-IVのAでは「拒否」、Bでは「恐怖」が基準とされてましたが、DSM-5のAでは「エネルギー摂取不足」、Bでは「恐怖または妨げ」とされています。本人が拒食症であることを「拒否してるんじゃなくて食べられないだけだ」「カロリーが怖いわけじゃない」と否認しているとき、DSM-IVでは診断根拠が不十分でしたが、DSM-5では客観的に診断することが可能になりました。

神経性無食欲症 Anorexia Nervosa

A.年齢・性別・発達的軌跡・身体的健康状態の上で著しい低体重が生じるような、必要量に比較して抑制されたエネルギー摂取。著しい低体重は、正常の最低より少ない、または、子供や青年では、期待される最低よりも少ないことで定義される。

B.著しい低体重にもかかわらず、体重が増えることまたは肥満することに対する強い恐怖、あるいは体重増加を妨げる持続的な行為。

C.自分の体重または体型の感じ方の障害、または自己評価に対する体重や体型の不適切な影響、または現在の低体重の重大さに対する認識の持続的な欠如

どちらかを特定せよ:
制限型: 最近3ヶ月間に、その人はその再発するエピソードの中で、むちゃ食いや排出の行動(すなわち、自己誘発性嘔吐、または下剤、利尿剤、浣腸の誤った使用)を行ったことがない。この亜型は、体重減少が主に食事制限、絶食、そしてまたは過剰な運動で体重減少がなされたものを表している。
むちゃ食い/排出型: 最近3ヶ月間に、その人はその再発するエピソードの中で、むちゃ食いや排出の行動(すなわち、自己誘発性嘔吐、または下剤、利尿剤、浣腸の誤った使用)を行ったことがある。

該当すれば特定せよ:
部分寛解 in partial remission:神経性無食欲症の診断基準にそれより前に完全に合致し、その後に基準A(低体重)に合致しない期間が続き、しかし基準B(体重増加または肥満に対する強い恐怖、あるいは体重増加を妨げる行為)または基準C(体重と体験に対する認識の障害)には未だ合致している。
完全寛解 in full features:神経性無食欲症の診断基準をそれより前に完全に満たし、基準のいずれも合致しない期間が続いている。

現在の重症度を特定せよ:
重症度の最低の水準は、大人では現在のbody mass index(BMI)に基づき(下記)を、子供と青年ではBMI-パーセンタイルに基づく。下記の幅は大人の痩せの分類をWHOから引用しており、子供と青年では対応するBMI-パーセンタイルが用いられるべきである。重症度の水準は臨床症状や機能障害の程度、そして指導の必要性を反映して強められることもある。
軽度(Mild): BMI≧17kg/u
中等度(Moderate): BMI 16-16.99 kg/u
重度(Severe): BMI 15-15.99 kg/u
極度(Extreme): BMI <15 kg/u
posted by とある精神科医 at 19:19| 診断基準 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月30日

6歳以下の心的外傷後ストレス障害(PTSD)診断基準 DSM-5

DSM-5における心的外傷後ストレス障害(PTSTD)の診断基準は6歳以下では大人とは違った基準が定められています。それを日本語訳してみました。



6歳以下の心的外傷後ストレス障害
Posttraumatic Stress Disorder for Children 6 Years and Younger
A.6歳以下の子供で、実際の死、危うく死にそうになること、重傷、または性暴への、以下の1つ以上の方法での暴露。
1.直接その出来事を経験する。
2.その出来事が他者に、特に身近で世話をしてくれる人に起きるのを目撃する。
注釈:電子的なメディア・テレビ・映画・絵だけを通して見たものは、目撃に含まない。
3. 両親か世話をしてくれる人に起きた外傷的な出来事について知る。

B. 以下にの1つ以上によって示される、外傷的な出来事が起きた後に始まっている、その外傷的な体験に関連した侵入的な症状:
1.自然とわき起こる、不随意の、侵入的で不快な、その外傷的な体験の回想。
注釈:自然とわきおこる、そして侵襲的な回想は、必ずしも不快そうに見えず、遊びのなかでの再演で現れることもある。
2.その出来事に関係した内容そして/または感情を含んだ反復的で苦痛な夢
注釈:その怖い夢の内容が外傷的な出来事と関係していることが突き止められないこともある。
3.その人がまるでその外傷的な出来事が再び起こっているかのように感じるか行動する解離性反応(例、フラッシュバック)(そのような反応は一連のものとしてしょうじ、その極度に強いものは現在の境遇に対する意識を完全に失う形で生じる)。遊びの中で外傷に特異的な再演が生じることがある。
4.その外傷的な出来事の状況を象徴する、またはその外傷的な出来事の状況に類似した、内的または外的きっかけに暴露されて生じる強いまたは延長された心理的な苦痛。
5.その外傷的な出来事を想起させる物事への著しい生理学的反応

C.以下の1つ以上によって示される、外傷的な出来事が起きた後に始まっているか増悪している、その外傷的な出来事に関連した刺激の持続的な回避、あるいは、その外傷的な出来事に関連した、感情と認知の否定的な変化:
・持続的な刺激の回避
1.その外傷的な体験を想起させる活動、場所、または物理的な物の、回避か回避の努力
2.その外傷的な体験を想起させる人、会話、または対人的な場面の、回避か回避の努力
・認知の否定的な変化
3.否定的な感情状態の持続的な頻度の増加(例、恐怖、罪悪感、悲しさ、恥ずかしさ、混乱)
4.遊ばなくなることを含む、重要な活動への関心または参加の著しい減少
5.社会的に引きこもった行動
6.肯定的な感情の表出の持続的な減少

D.以下の2つ以上で確認される、外傷的な出来事が起きたあとに始まったか悪化している、外傷的な出来事に関した誘発と反応の変化:
1.典型的には人か物に対する言語的または身体的な攻撃で表される(全くあるいはほとんど原因がなくとも)怒りっぽい行動、または怒りの噴出(ひどいかんしゃくを含む)
2.過度な警戒
3.過度な驚愕反応
4.集中困難
5.睡眠障害(例、入眠または睡眠維持の困難または睡眠の不安定性)

E.障害の持続期間が1ヶ月以上

F.症状は臨床的に著しい苦痛または両親、同胞、仲間、または他の世話をしてくれる人との関係、あるいは学校における障害を引き起こしている。

G.障害が物質(例、薬物やアルコール)の生理的作用や他の医学的状態によるものではない。

該当すれば特定せよ:
解離性の症状を伴うもの with dissociative symptoms
離人 Depersonalization
現実感の喪失 Derealization
該当すれば特定せよ:
発症遅延 with delayed expression
posted by とある精神科医 at 14:22| 診断基準 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月29日

心的外傷後ストレス障害(PTSD)の診断基準 DSM-5

心的外傷後ストレス障害PTSD)のDSM-5の診断基準を日本語訳してみました。DSM-IVからは随分と変更されています。そして、依然として、いや以前にもまして複雑なものであり、丸暗記は不可能なレベル。本質的にトラウマ関連だと考えてから基準に合うのかを読んで確認する必要がありそうです。


心的外傷後ストレス障害
Posttraumatic Stress Disorder


注釈:基準は成人、青年、6歳より上の子どもに適用される。6歳以下の子どもについては、該当する基準を見よ。

A. 実際の死、危うく死にそうになること、重傷、または性暴への、以下の1つ以上の方法での暴露。
1. 直接その出来事を経験する。
2. その出来事が他者に起きるのを目撃する。
3. 近しい親族か友人に起きた外傷的な出来事について知る。家族か友人の、実際の死、または危うく死にそうになることについてであれば、その出来事は暴力による、または偶発的なものでなければならない。
4. 嫌悪するような出来事の場面に、繰り返しまたは非常に強く暴露される。(例、残された人体を集める作業に最初にとりかかる;児童虐待の場面に繰り返し暴露された警察官);これは仕事に関連するものでなければ、電子的なメディア・テレビ・映画・絵を通して暴露されたものには適応しない。

B. 以下にの1つ以上によって示される、外傷的な出来事が起きた後に始まっている、その外傷的な体験に関連した侵入的な症状:
1.自然とわき起こる、不随意の、侵入的で不快な、その外傷的な体験の回想。
注釈:6歳以上の子どもの場合は、その外傷的な体験の主題か一面を表現する遊びを繰り返すことがある。
2.その出来事に関係した内容そして/または感情を含んだ反復的で苦痛な夢
注釈:子どもの場合は、内容が理解できない怖い夢であることもある。
3.その人がまるでその外傷的な出来事が再び起こっているかのように感じるか行動する解離性反応(例、フラッシュバック)(そのような反応は一連のものとしてしょうじ、その極度に強いものは現在の境遇に対する意識を完全に失う形で生じる)。
注釈:小さな子どもの場合は、遊びの中で外傷に特異的な再演が生じることがある。
4.その外傷的な出来事の状況を象徴する、またはその外傷的な出来事の状況に類似した、内的または外的きっかけに暴露されて生じる強いまたは延長された心理的な苦痛。
5.その外傷的な出来事の状況を象徴する、またはその外傷的な出来事の状況に類似した、内的または外的きっかけに対する著しい生理学的反応

C. 以下にの1つ以上によって示される、外傷的な出来事が起きた後に始まっている、その外傷的な出来事に関連した刺激の持続的な回避:
1.その外傷的な体験についての、または関係性が近い、不快な記憶か思考か感覚の回避か回避の努力
2.その外傷的な体験についての、または関係性が近い、記憶か思考か感覚を誘発する外的なもの(人、場所、会話、活動、物体、状況)の回避か回避の努力

D. 以下の3つ以上で確認される、外傷的な出来事が起きたあとに始まったか悪化している、その外傷的な出来事に関連した、感情と認知の否定的な変化:
1.外傷的な出来事の重要な場面の想起不能(典型的には解離性健忘によるもの;頭部外傷やアルコールや薬物によるものではない)
2.自己か他者か世界に対する、持続的で誇張された否定的な考えか予測(例「私が悪い」「誰も信頼できない」「世界は全くもって危険だ」「私の神経系は永久に壊れたままだ」)
3.自己他者に対する批判を生む、その外傷的な出来事の原因か結果についての、持続的な歪められた認知
4.広範で否定的な感情状態(例、恐怖、おびえ、怒り、罪悪感、恥ずかしさ)
5.重要な活動への関心または参加の著しい減少
6.他者から孤立または疎遠になっているという感覚
7.肯定的感情を経験することの持続的な困難(例、幸福、満足、または愛情の感覚を持つことの不能)

E. 以下の2つ以上で確認される、外傷的な出来事が起きたあとに始まったか悪化している、外傷的な出来事に関した誘発と反応の変化:
1.典型的には人か物に対する言語的または身体的な攻撃で表される(全くあるいはほとんど原因がなくとも)怒りっぽい行動、または怒りの噴出
2.向こう見ずな、または自己破壊的な行動
3.過度な警戒
4.過度な驚愕反応
5.集中困難
6.睡眠障害(例、入眠または睡眠維持の困難または睡眠の不安定性)
F.障害(基準B・C・DおよびEの症状)の持続期間が1ヶ月以上
G.症状は臨床的に著しい苦痛または社会的・職業的・他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。
H.障害が物質(例、薬物治療やアルコール)の生理的作用や他の医学的状態によるものではない。

該当すれば特定せよ:
 解離性の症状を伴うもの with dissociative symptoms:その人の症状が心的外傷後ストレス障害の基準に合致し、それに加えてストレス対象への反応として、その人が持続的または反復的に以下のどちらかの症状を経験するもの。
離人 Depersonalization:あたかも自己の精神か身体から離れているように、外から傍観しているように感じられる持続的または反復的な体験(例、夢の中にいるような感じ、自己または身体が非現実に感じられる感覚、時間がゆっくり進んでいるように感じる感覚)
現実感の喪失 Derealization:周囲が非現実のように感じる持続的または反復的な体験(例、周囲の世界が非現実のように、夢の様に、離れて、または歪められたようにその人が体験する)
注釈:この亜型を使うには、解離性の症状が物質の生理的作用(例、ブラックアウト、アルコール中毒の間の行動)や他の医学的状態によるものであってはいけない。

該当すれば特定せよ:
発症遅延 with delayed expression:その出来事から6ヶ月間以上経つまで診断基準を完全には満たさなかった場合(ただ、いくつかの症状が始まる時期はそれよりも早いこともある)
posted by とある精神科医 at 10:17| 診断基準 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする